今回ご紹介する本はとても面白くビジネス上での交渉術やトラブル回避の方法などを、なんとヤクザから学ぶという本です。
著者は向谷匡史さんという方で、多方面のジャンルの書籍を書かれていらっしゃる様です。ヤクザの世界を知り、そしてそれをビジネスや生きていく上での考え方として学ぶことができます。
一見おかしな事とを言っている本の様に思いますが、大真面目な本です。
なぜなら、ヤクザは交渉のプロといっても言い過ぎではないからです。街中で通りがかりの人にケンカ売ったり、殴りありしているのはチンピラさんでヤクザではありません。
本当のヤクザはそんなヘタな事に時間を費やしたりしません。少々のお金を手にしたとしても警察に駆け込まれたらそれで終わりです。ハイリスク・ローリターンだから。
では、ヤクザといわれている方々はどの様にシノギ(稼ぎ)を得ているのでしょう。
一般人と同じ様に生活するにはもちろんお金が必要です。
拳銃をもってドンパチやって殺し合いしてもお金にはなりません。
街でカツアゲしても大したお金にはならないし。
薬物もリスクが高いので本物ヤクザの方は扱わない様です。
では、どうやって稼ぐのでしょうか?
簡単にいうと、トラブルの仲介に立って、問題を解決しその手数料をシノギ(稼ぎ)としている様です。
さまざまなトラブルに立ち向かい、解決するのは容易な事ではありません。お金、借金の取り立て、不良債権、不動産がらみのトラブルなど、数千万円~数十億円、もっと大きな金額がからむトラブルかもしれません。
この様なトラブルは、一般の人では解決できないからヤクザのところへ話しがくるわけです。ここでヤクザの方の出番です。ヤクザといえども一般人がさじを投げたトラブルなわけですから大変です。しかし、報酬がかなり期待されます。
そこで、いろいろな交渉テクニックを披露してくれるわけです。
- 不利な状態の交渉から、いつのまにか立場が入れ替わっていたり
- 損した様に見えるけど、実は得をしていたり
- 相手の秘密を出すタイミング
- 相手の失言を逃さず追い込む方法
- イエスと言わせる交渉術
など
そうです、本当のヤクザの方は非常に頭の回転が良く、交渉事にたけているのです。
ヤクザは弁護士に匹敵する交渉のプロと言われているほどです。
そして、この交渉事やトラブルはビジネス上でも日常的に発生します。
見積り金額の交渉、納期遅れ、お客さんや上司とのトラブルなど、日本のビジネスマンであれば毎日の様に問題が発生します。
これを、もし交渉のプロであるヤクザであればどの様に解決していくか。
もちろん拳銃ぶっぱなして相手を震えあがさせるわけではありません。
そんな事しても刑務所へ行って終わりになるだけ。
本書の内容としては、まずヤクザがトラブル、アクシデントをどの様に解決していったかを解説し、その後に「これをビジネスの交渉事のあてはめると・・・」というような展開です。短編がたくさん入っているので読みやすいです。
この様にヤクザの方は交渉を依頼されて商売がなりたつ部分があるので、交渉の仲介に立って失敗は許されません。なぜなら失敗するとどんどん依頼が減っていくからです。サラリーマンは失敗しても会社にいればとりあえず給料がもらえますがヤクザはそういうわけにはいきません。だからヤクザも命がけで交渉に挑んでいるのです。
この様な事を真面目に、そして面白おかしく書かれた書籍で、個人的にはとても読みやすくておすすめです。シリーズ化されて何冊も種類があります。
ビジネスマンだけでなく、人生を歩む上でもある意味参考になる?と思いますので、僕のおすすめの本ですっ!!