日本には大きく分類すると、コーヒー派・紅茶派・日本茶派の3つに分類される場合が多いのではないでしょうか。
今回はその中の「コーヒー派」の人に対しての記事になるのですが、「紅茶好き」の人も「日本茶好き」の人も「コーヒーは苦いだけ!」と思っている人も読んでいただくと面白いと思いますよ。
私はコーヒーが無いと生きていけないくらいのコーヒー好きですが、もちろん日本人すべての人がコーヒー好きだとは思っていませんが、少しでも興味をもっていただければという意味も込めて記事にしてみました。
1. 珈琲生豆について
本格コーヒーのお手軽な飲み方でもっともポピュラーなのが、コーヒー豆を焙煎してミルで粉砕し粉状になつた珈琲を購入しペーパーフィルターでドリップして飲むというものですが、ではコーヒー豆を焙煎する前の「生豆」のことをご存知でしょうか?
1-1. 「生豆」とは
まず、「生豆」ってどう読むのが正しいのだろうか?おそらくコーヒーが好きな人でもここまでは考えないことでしょう。正しい読み方は「生豆」=「きまめ」と読みます。
もし、コーヒー談義になった時に「きまめ」とスムーズに言葉が出てきて説明できれば、少しだけ真の珈琲好きに近づけた様な気がしますね。
この「生豆」とは焙煎する前で生の状態のコーヒー豆を示す用語で、これを職人さんが専用の焙煎器で焙煎し、焙煎豆として店舗で販売されているものもあれば、粉になって販売されているものもあるというもの。
焙煎の工程は珈琲の味を決定する重要なものとなり、職人さんの腕ひとつで生豆の特性を最大に生かすこともできれば、半減してしまうこともある。単に豆を焼いているのではなく、それぞれの豆の特徴を理解した焙煎を行わなければ、それぞれの特徴あるコーヒーの味にならないということ。
やはりお手軽なのは粉になっている珈琲を購入しドリップして飲むというのが手っ取り早く、拘る人は珈琲豆からミルで粉砕したものを好みますね。これは粉砕したての方が酸化が最小限で劣化がすすんでおらず、香りも粉砕仕立ての方が良いと言われているためです。
1-2. 生豆(珈琲)の種類
コーヒー豆の種類は一般的なもので「アラビカ種」と「ロブスタ種」の2種類になり、全体生産の約90%がアラビカ種で残り10%がロブスタ種とその他になる。これにはそれぞれの特徴がある。
1-2-1. アラビカ種
このアラビカ種の珈琲豆は標高1000mを超える山岳地帯で栽培されるのが一般的で、生豆となって採取できるまでにはかなりの労力が必要。
アラビカ種を栽培するにあたり重要になってくるのが気温で、通年を通して18~21℃程度であって、昼と夜の温度差がが大きいことが条件となるために、昼間は比較的暖かくて夜は冷え込む高地での栽培が一般的。
味は、栽培が困難な事と引き換えに淹れた時に美味しいコーヒーになります。アラビカ種でも産地によりいろいろなので一概には説明できませんが、コク・苦味・甘味などの特徴が十分に感じられる仕上りとなります。
1-2-2. ロブスタ種
主にベトナムなどでロブスタ種は栽培されていて、ベトナムの地元ではロブスタ種を専門で扱う店舗でコーヒーを味わうことができる。
しかし、日本ではアラビカ種に対してロブスタ種は味と香りがかなり独特なものを感じるために単品で飲むことはほとんどありません。
使い方としては、アラビカ種に少量をブレンドして味と香りにアクセントを付けたり、ガツンと苦みを感じたいアイスコーヒー用、および缶コーヒーなどの加工商品にも多く使用されている。
1-2-3. ロブスタ種とアラビカ種はどちらが良いか?
それぞれの品種によって使用用途が異なるためにどちらが良いとか悪いとかは比較することができませんが、一般的な喫茶店に入った時に出されるホットコーヒーはほぼアラビカ種の豆から淹れたものなので、日本人の口にはアラビカ種の方が合うのかもしれません。
しかし、夏場の暑い時にはロブスタ種で淹れたアイスコーヒーが飲みたいものです。
アラビカ種とロブスタ種の味の違いについては、ホットコーヒーとアイスコーヒーの味の違いをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
2. こだわりの焙煎(ロースト)
もちろん生豆のままでは生臭くてコーヒーとして飲めるものではありませんので、焙煎を行ってから淹れる必要があります。この焙煎を行うことによってコーヒーの苦み・酸味・コクなどが出てコーヒー本来の味となるのですが、これも焙煎のレベルによって苦みが際立ったり酸味が前に出てきたりと異なってきますので、焙煎の仕方は非常に重要になる。
2-1. 焙煎レベル(焼き加減)
珈琲豆の焙煎レベルは、浅煎り~深煎りまでの焙煎度合で8種類に分類されるのが一般的で、浅煎りはライトトーストで一番濃い深煎りはイタアンローストと呼びます。
出典:コーヒー豆の焙煎(ロースト)を知る|焙煎度による違いや自宅でできる焙煎方法 | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE
2-2. シルバースキン(チャフ)って何?
皆さんはコーヒー豆にある「シルバースキン」の事はご存知でしょうか?これはコーヒーをよく飲むコーヒー好きの人でも知らない人がほとんどかと思います。
「シルバースキン」は別名「チャフ」とも呼ばれますが、これは豆のセンターカットの中にある白い薄皮状のものを示します。
出典:珈琲きゃろっとマガジン | シルバースキン?銀皮?チャフ?
ミルで粉砕して粉にするとシルバースキンがある事がよく分かります。一般的に販売されているコーヒーの粉は製造工程でシルバースキンは取り除かれているので目にする事はありませんが、焙煎~粉砕直後には混在しているのです。
出典:珈琲きゃろっとマガジン | シルバースキン?銀皮?チャフ?
画像の左側が焙煎後に粉砕のみを行った状態で、右側がシルバースキン(チャフ)を取り除いた状態。
このシルバースキンが入ったままの状態でコーヒーを淹れると、エグミや渋みの原因になると言われています。先にも説明した通り、通常の購入品であれば取り除かれていますが、自分で焙煎する場合には粉砕後にシルバースキンを取り除いた方が良いでしょう。
家庭でシルバースキンを取り除く方法はいたって簡単で、軽く息を吹きかけて粉砕したコーヒーより軽いシルバースキンを吹き飛ばして除去するだけです。シンプルな方法ですが丁寧にやればほとんどのシルバースキンを除去できる。
3. 珈琲を抽出する方法もさまざま
コーヒーの味は焙煎の方法によって大きく変わりますが、これと同様で味に大きく影響を及ぼすのが抽出の方法です。一般的な抽出方法の紹介と、味の違いなどについてまとめてみました。
3-1. ペーパードリップ
日本で一番一般的なコーヒー抽出方法でペーパーフィルターを使用するもので、ドリッパーなので器具も比較的安価に取り揃えることができるので初心者に向いている方法といえるでしょう。
ペーパーフィルターがコーヒーの油分を適度に吸収してくれるためスッキリとした味になるので、習慣として毎朝飲むコーヒーとしてはこの抽出方法がおすすめですね。
3-2. ネルドリップ
「ネル」は毛織物(フランネル)のことを意味し、この布を通過させてドリップする抽出方法で、布フィルターは洗って繰り返し使用する事ができる。
ネルドリップはペーパーフィルターとは逆で目が粗いため油分も抽出されて、まったりとしたコーヒーの味になるのが特徴。
3-3. サイフォン
これは喫茶店などでも見かけることが多く蒸気圧を利用して抽出する器具で、抽出の様子は見ていても面白いですね。
サイフォンはペーパードリップやネルドリップとは異なり、全自動で抽出されるので淹れる人の技術に左右されることなく安定したコーヒーの味を出せるという特徴がある。
3-4. エスプレッソ
一言でいうと濃いコーヒーのイメージがあるエスプレッソ。
器具には直火式のもや電気式のものがあり、圧力をかけて短時間でコーヒー粉の中を通過させて抽出させる方式で、豆のもつ雑味成分が溶け出さずに、ギュッと濃縮された濃厚な味のコーヒーが出来上がる。
他にも珈琲の抽出方法あるのですが、この辺りにしておきましょう。
4. 珈琲は奥深い
いかがでしたでしょうか。コーヒーと一言で言っても、缶コーヒー~こだわりのコーヒーまで様々で、価格や好みにあわせて選ぶことができる。
外で手軽に飲むのであれば缶コーヒーが良いでしょうし、また拘りのコーヒーを飲みたい場合には、お好みのドリップ方法でじっくりと抽出した珈琲を飲むのも良いでしょう。
珈琲の世界は拘りだせば非常に奥深いものですが、ちょっとだけ手間をかけることでいつもとは違った美味しいコーヒーを飲むことができると思いますので、参考になればと思います。